フリーランスエンジニア案件市場レポート 2026年9月版

主要フリーランスエージェント15社の公開データを実測。「公開案件数」と募集中の実数、掲載単価の上限、月80万円以上の割合、技術・地域・フルリモートの件数を、すべて検証URL付きでまとめた月次レポート(第1号・基準値)。

基準日 2026-09-01 対象 主要15社 著者 Takabo(Startup School)

「公開案件数◯万件」——フリーランスエージェントのサイトでよく見るこの数字を、そのまま「いま応募できる案件の多さ」だと受け取っていませんか。主要15社を実測すると、その数字の多くは募集を終えた案件まで含む累計で、実際に募集中なのはごく一部でした。

そしてこの差は、単価の見え方にも効いてきます。このレポートでは、掲載と募集中の実数・単価の上限・月80万円以上の割合・技術や働き方ごとの件数を、すべて各社の公開ページで再現できる形で確かめました。額面の数字に振り回されず、自分の条件に合う社を見極めるための材料として使ってください。

1. 「公開案件数」と募集中の実数

エージェント掲載(累計)募集中募集中/掲載
レバテックフリーランス127,3582,8862.3%
テクフリ23,3716272.7%
ココナラテック21,3037133.3%
FLEXY16,8461,6219.6%
Tech Stock8,7624074.6%

掲載と募集中の両方を数えられた5社では、募集中は掲載の2.3〜9.6%にとどまりました。レバテックフリーランスは掲載127,358件に対し募集中2,886件(2.3%)、FLEXYは掲載16,846件に対し1,621件(9.6%)です。同じ「公開案件数」でも、実際に募集している割合には4倍の開きがあり、見出しの数字がどれだけ実態に近いかは社によって違います。

ただし、割合が低い=案件が少ない、ではありません。レバテックは割合こそ最も低いものの、募集中の実数2,886件は5社の中で最多です。「公開数」の大きさに惑わされないことと、割合だけで小さく見積もらないことの両方が要る——結局のところ見るべきは、募集中の実数そのものです。

件数のからくりが分かると、次に効いてくるのが単価です。

2. 掲載中の募集案件・単価の上限

エージェント上限単価(万円/月)
FLEXY480
HiPro Tech320
Midworks300
エクストリームフリーランス300
レバテックフリーランス295
ITプロパートナーズ250
PE-BANK250
Tech Stock240
テックビズ224
フォスターフリーランス205
ランサーズ テックエージェント202
テクフリ198
ギークスジョブ170
Findy Freelance144
ココナラテック144

参考:公式の実績表記(表示専用)

掲載中の募集案件を単価の高い順に並べた先頭の値は、FLEXYの480万円からFindy・ココナラの144万円まで、15社で3倍以上の幅がありました。上限300万円以上が4社(FLEXY・HiPro Tech・Midworks・エクストリーム)ある一方、下位は200万円前後に集まります。

ここで混同しやすいのが、この「掲載中の上限」と、各社が公式に掲げる「実績」の金額です。PE-BANKは実績として月385万円を掲げますが、いま掲載中の案件の上限は250万円。フォスターも実績230万円に対し、掲載上限は205万円です。過去のベスト事例は、現在の天井より高く見えることがあります。

このレポートでは、いま応募できる案件の上限(掲載)と、公式の実績表記を分けて扱っています。前者は相場の感覚、後者は「そこまで出た事例がある」という参考値として読んでください。

3. 月80万円以上の募集はどれくらいあるか

エージェント募集中(分母)上限80万円以上割合
Tech Stock39329575.1%
テクフリ66737355.9%
FLEXY1,55481352.3%
フォスターフリーランス79740550.8%
ココナラテック72729440.4%
PE-BANK4,7561,12923.7%

募集中のうち単価上限が80万円以上の割合を数えられた6社では、Tech Stockが75%(393件中295件)と最も高く、PE-BANKは24%(4,756件中1,129件)でした。割合だけ見ると3倍の差があります。

ところが、80万円以上の案件の「数」で見ると逆転します。割合が最も低いPE-BANKは、母数が大きいぶん80万円以上の実数が1,129件と6社で最多。割合75%のTech Stockは295件です。「高単価の割合が高い社」と「高単価の案件数が多い社」は、必ずしも一致しません。

さらに、「80万円以上」という同じ言葉の中身も、社によって違います。上限が80万円に届く案件(上限基準)と、下限から80万円を保証する案件(下限基準)とでは、数がまるで別物です。両方を測れたフォスターでは、上限基準405件に対し下限基準は212件——ほぼ半分になります。PE-BANKも上限1,129件に対し下限723件です。多くの社は片方の基準しか公開していないため、額面の「80万円以上◯件」をそのまま社間で比べると、実態より高く見積もることになります。この表の割合は、すべて上限基準にそろえています。

狙いが定まっているなら、これらを分けて見ると選びやすくなります。高単価の案件だけを効率よく当たりたいなら割合の高い社、まず選択肢の数がほしいなら実数の多い社、確実に高単価を取りたいなら下限基準まで見られる社、という具合です。

4. 技術・地域・フルリモートの件数

条件エージェント件数区分
愛知県レバテックフリーランス7,343掲載(終了込み)
愛知県HiPro Tech266掲載(終了込み)
愛知県Tech Stock131募集中
愛知県テックビズ118掲載(終了込み)
愛知県ITプロパートナーズ95掲載(終了込み)
愛知県ランサーズ テックエージェント19掲載(終了込み)
愛知県ココナラテック10募集中
愛知県テクフリ1募集中
大阪府レバテックフリーランス14,342掲載(終了込み)
大阪府HiPro Tech385掲載(終了込み)
大阪府テックビズ365掲載(終了込み)
大阪府Tech Stock172募集中
大阪府ITプロパートナーズ89掲載(終了込み)
大阪府ココナラテック67募集中
大阪府ランサーズ テックエージェント40掲載(終了込み)
大阪府テクフリ6募集中
東京都レバテックフリーランス86,260掲載(終了込み)
東京都テックビズ14,419掲載(終了込み)
東京都ランサーズ テックエージェント13,510掲載(終了込み)
東京都HiPro Tech5,372掲載(終了込み)
東京都ITプロパートナーズ2,803掲載(終了込み)
東京都PE-BANK1,278募集中
東京都テクフリ657募集中
東京都ココナラテック441募集中
東京都Tech Stock274募集中
福岡県レバテックフリーランス6,614掲載(終了込み)
福岡県テックビズ363掲載(終了込み)
福岡県Tech Stock108募集中
福岡県HiPro Tech43掲載(終了込み)
福岡県ITプロパートナーズ13掲載(終了込み)
福岡県ランサーズ テックエージェント2掲載(終了込み)
福岡県ココナラテック2募集中
福岡県テクフリ0募集中
フルリモートテックビズ7,491掲載(終了込み)
フルリモートITプロパートナーズ5,071掲載(終了込み)
フルリモートHiPro Tech2,639掲載(終了込み)
フルリモートフォスターフリーランス263掲載(終了込み)
フルリモートテクフリ221募集中
フルリモートTech Stock107募集中
AWSテックビズ11,381掲載(終了込み)
AWSITプロパートナーズ2,411掲載(終了込み)
AWSランサーズ テックエージェント821掲載(終了込み)
AWSギークスジョブ619掲載(終了込み)
AWSPE-BANK470募集中
AWSフォスターフリーランス233掲載(終了込み)
Reactテックビズ5,667掲載(終了込み)
ReactHiPro Tech577掲載(終了込み)
ReactITプロパートナーズ519掲載(終了込み)
ReactPE-BANK218募集中
Reactココナラテック38募集中
TypeScriptテックビズ5,998掲載(終了込み)
TypeScriptITプロパートナーズ1,619掲載(終了込み)
TypeScriptギークスジョブ987掲載(終了込み)
TypeScriptHiPro Tech732掲載(終了込み)
TypeScriptフォスターフリーランス142掲載(終了込み)
TypeScriptテクフリ103募集中

最後に、技術・地域・働き方ごとの件数です。ここで最も注意したいのは、「掲載(終了を含む累計)」と「募集中」では桁が違うこと。同じ「AWS」でも、掲載ベースのテックビズは11,381件、募集中ベースのPE-BANKは470件です。基準が違えば20倍以上ずれるので、横に並べて多い少ないを論じることはできません。

地域の偏りも鮮明です。たとえば愛知県は、掲載ベースのレバテックで7,343件ある一方、募集中ベースの社では一桁という例もあります。地方在住でフルリモート以外も視野に入れるなら、案件の絶対数がぐっと減ることは織り込んでおいたほうがよいでしょう。逆に、フルリモートを条件にすれば居住地の制約はほぼ外れます。

まとめ

エージェントの数字は、額面のままでは比べられません。読むときのポイントは4つです。(1)「公開案件数」は募集中の数ではなく、多くは累計であること。(2)単価は「公式の実績」と「いま掲載中の上限」を分けること。(3)高単価は「割合」と「件数」で順位が入れ替わりうること。(4)件数は掲載と募集中の基準をそろえること。この4つを押さえるだけで、各社の見せ方に振り回されずに済みます。

このレポートは第1号です。来月以降も同じ基準で更新し、件数や単価の推移を追えるようにしていきます。掲載している数字はすべて出典付きで、出典を明記していただければ引用は自由です。